(2)「遺留分」とは・・・

 

「自宅は長女Aに、その他の財産は長女A

と長男Bと二男Cに均等に相続させる」


という趣旨の遺言をしたとします。

仮に自宅の相続評価額が6,000万円、その

他の財産が預金3,000万円だったとして、

遺言通りに相続すると、各人の相続額は、

A:7,000万円 B・C:各1,000万円

となりますが、

各人の法定相続分は、3,000万円ですので、

Aは、法定相続分よりも4,000万円多く相続

し、B・Cは、2,000万円づつ少なく相続する

ことになります。

上記のような遺言ももちろん有効ですから、

遺言書通りに遺産分割が行われれば特に

問題はありません。

しかし、BやCに遺言内容に異議がある場合

は問題が出てきます。

各相続人は、自己の法定相続分の1/2

『遺留分』という権利を有しています。

上の例ですと、

BCともそれぞれ3,000万円÷2=1,500万円

までは相続権をAに対して主張できるわけ

です。

これを『遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげ

んさいせいきゅうけん)』といいます。

この場合預金が3,000万円ですから、

BCが遺留分減殺請求してきた場合、Aは預

金を相続することはできなくなるでしょう。

このケースは預金の範囲内で分割できるの

でまだ良いのですが、

仮に自宅の相続評価額が9,000万円だった

場合は少し厄介です。

相続財産総額は1億2,000万円ですから、

BCの遺留分の合計額は、

1億2,000万円÷3÷2×2=4,000万円 

となり、預金財産3,000万円を超えてしまい

ます。

このケースで、Aが他に現金を持っていて

代償分割ができればよいですが、現金がな

く、かつBCがあくまで遺留分を強硬に主張

して来た場合、Aとしては借金するか自宅

を売却して差額の1,000万円を工面するより

ほかなくなってしまいます。

しかし、「自宅を売却してしまう」ことは、

遺言者の本意であるはずがありません。

このような事態を招かぬよう、遺言書を作成

するときは『遺留分』に十分気をつけて

「争族」
の種を残さないように

したいものです。